ネットワークって。。。#11(IPプロトコル)
今回から、IPプロトコルという事で、進めていきます。
前回まで、データリンク(レイヤ2)の話をしてきましたが、今回からは、レイヤで言うとネットワーク層(レイヤ3)の話になります。
あっ、レイヤについては、ネットワークって。。。#4を参照して下さい。
ネットワーク層とデータリンク層の関係
データリンク層は直接接続された機器同士の通信を提供
ネットワーク層は直接接続されていないネットワーク間での転送を実現
???
上の画像で言うと、人の形をしたコマが線で結ばれています。
線で直接繋がったコマ同士の会話が、データリンク層、直接繋がっていなくても線をたどって、いろんなコマを経由して遠くのコマと会話するのが、ネットワーク層の役割です。
うーん、もうひとつですね。。。笑
では、ネットワークって。。。#4でもネットワークって。。。#6でも出てきた、「大阪からハワイのホノルルへ移動したい場合」の例で。。。。
経路は、
ホノルル国際空港は、今はダニエル・K・イノウエ国際空港っていう名前になってるようですが、、、置いときましょう笑
ツアーの場合、行程表と切符一式が渡されますよね。
で、それぞれの切符は、基本的には、上の矢印(→)の単位ですよね。
それぞれの切符のひとつひとつが、データリンク層の役割で、行程表がネットワーク層の役割です。
つまりは、行程表だけあっても、一区間の切符だけあっても、ホノルルには行けないですよね。
ネットワーク通信も、ネットワーク層とデータリンク層のそれぞれの役割があって、成り立っています。
経路制御(ルーティング)
ルーティングについては、ネットワークって。。。#4でも軽く触れましたが、更にここでブレイクダウンします。
先程のハワイの例。。。
ちなみにハワイに行く経路って、上記のひとつだけじゃないですよね。
例えば、成田から直接ホノルルに行くより、韓国経由の方が遠回りでも安かったりしますよね。
(ここから、赤文字はルータとかルータの役割という意味で表していきます。)
【通常のルート】
【韓国経由の場合】
ちなみに成田経由しなくても、関西国際空港から直接、仁川国際空港経由で行けるやろ。。。
って方もいらっしゃるかも知れませんが、そこは置いといて下さい笑
ネットワークの世界でも、相手先にたどり着くのには、複数の経路があるのが通常です。
では、どうやって経路って決まるのでしょう???
ネットワークって。。。#6で、関西国際空港と成田国際空港は、ルータの役目をすると説明しました。
更には、それぞれのルータには、ルーティングテーブルっていうのを持っていて、例えば、関西国際空港が持っているルーティングテーブルは、「ハワイに行きたいなら成田国際空港へ」という情報である事も説明しました。
実は、ルーティングテーブルには、経路情報以外にもうひとつ情報があって、宛先に到達するまでに経由するルータの数っていうのを持っています。
このルータの数の事を、ホップ数と呼びます。
上記の2つの経路で例えると、
【通常のルート】
【韓国経由の場合】
関西国際空港の持つルーティングテーブルのホップ数は、
【通常のルート】
ホノルル空港までは、成田国際空港を経由するだけなので、
ホップ数:1
【韓国経由の場合】
ホノルル空港までは、成田国際空港と仁川国際空港の2地点を経由する必要があるので、
ホップ数:2
となります。
で、ネットワークの世界では、宛先への経路が複数存在する場合は、このホップ数が少ない方(早く着く方)が優先されます。
最後にもうひとつ。。。
ルーティングテーブルには双方向の設定が必要なんです。
人間同士でも、お互いに向き合っていないと意思疎通できないですよね。(ちょっと例えが違うかも笑)
ハワイの例でいうと、帰り道わかってないと日本に帰って来れませんよね。
ネットワークも片方向だけわかってても通信はできないんです。お互いに向き合っていないと。。。笑
ネットワーク通信っていうのは、リクエスト(問合せ)〜レスポンス(回答)で成り立つんです。
例えば、何かを調べるために、Webで検索する時なんかは、探したいキーワードを入れて検索(リクエスト)して、検索結果(レスポンス)が返ってきますよね。そんなイメージです。
ここで、
①リクエスト、②レスポンス
とすると、①のルーティングテーブルの設定はもちろんの事、②の設定もないと通信はできません。
では、韓国経由の例で、具体的に。。。
1. 自宅
↓①リクエスト ↑②レスポンス
ルーティングテーブル
①ホノルルに行くには関西国際空港に行け
②設定不要(レスポンスの到着地)
2. 関西国際空港
↓①リクエスト ↑②レスポンス
ルーティングテーブル
①ホノルルに行くには成田国際空港に行け
②設定不要(自宅には経由なしで帰れる)
3. 成田国際空港
↓①リクエスト ↑②レスポンス
ルーティングテーブル
①ホノルルに行くには仁川国際空港に行け
②自宅に帰るには関西国際空港に行け
4. 仁川国際空港
↓①リクエスト ↑②レスポンス
ルーティングテーブル
①設定不要(ホノルルへは経由なしで行ける)
②自宅に帰るには成田国際空港に行け
5. ホノルル国際空港
↓①リクエスト ↑②レスポンス
ルーティングテーブル
①設定不要(到着地)
②自宅に帰るには仁川国際空港に行け
まとめ
- データリンク層は、経由する直近の機器との(同一ネットワークでの)通信、ネットワーク層は最終宛先までの(ネットワークを跨いでの)通信を実現する。
- 宛先までの経路が複数ある場合は、宛先までに経由するルータの数(ホップ数)の少ない経路を優先する。
- ネットワークは、リクエスト〜レスポンスで成立し、ルーティングテーブルには、双方向の設定が必要。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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