ネットワークって。。。#18(IPに関連する技術)

今日は、IPトンネリングとその他のIP関連技術の話。。。

 

IP?

トンネル?

 

では始めましょう笑 

 

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IPトンネリング

IPトンネリングとは、ネットワーク上の離れた2拠点間を仮想的な閉じられた回線で結び、あたかも同一のネットワークのように扱える技術のことをいいます。

 

???

ですかね笑

 

続けます笑

 

例えば、IPv6で通信しているネットワークAとネットワークBがあったとして、その間のネットワークCがIPv4しかサポートしていない場合、ネットワークAとネットワークBがIPv6で通信することはできません。

 

 ネットワークA(IPv6)×

    |

 ネットワークC(IPv4

    |

 ネットワークB(IPv6)×

 

ここで、IPトンネリングを使って、ネットワークAの情報(IPv6パケット全体)をネットワークCの情報(IPv4のヘッダ)に付け加え(カプセル化っていいます)、ネットワークCを通過できるようにします。

ネットワークBは、ネットワークAの情報が付加されているので、IPv6として処理ができます。

 

 ネットワークA(IPv6)○

    |

 ネットワークC(IPv4)ネットワークAをカプセル化

    |

 ネットワークB(IPv6)○

 

ここで、ネットワークCの処理が隠された感じ、ブラックボックスみたいな感じなんで、トンネリングという言葉が使われています。

 

例えば、上の写真。。。

トンネル付きの滑り台を子供が滑るところを横から眺めていると、、、

トンネルに入る前の子供の表情と、トンネルから出てきた時の子供の表情はわかりますが、トンネルの中にいる時の子供の表情って見えませんよね。

そんな感じです。。。

 

イメージがわかない方は、実際に試してみてください笑

    

 

参考までに、ネットワークって。。。#10で述べたVPNもこのIPトンネリングって技術を使っているんです。

VPNは、IPsecという暗号化技術を使って、IPトンネリングを実現しています。

 

 

その他のIP関連技術

IPマルチキャスト

IPマルチキャストは、ネットワーク通信において、特定の複数の受信者に1回で送信するための技術です。

動画のストリーミングや、テレワーク等で今はやりのWeb会議なんかでこの技術が使われています。

例えば、5人でWeb会議を実施する時には、そのうちの1人が話した情報は、他の4人に対し、4回送信するのではなく、1回送信するだけで、他の4人に伝わるのです。

 

まあ、学校の授業で、先生が生徒ひとりひとりに、いちいち別々に教えたりはしませんよね。

居残りとか補講は別ですが。。。笑

そんな感じです。。。

 

IPエニーキャスト

IPエニーキャストは、1つのIPアドレスを複数のサーバに割り当てる事ができる技術で、主に負荷分散等の目的で利用されます。

例えば、日本からのアクセスなら日本のサーバに、米国からのアクセスなら米国のサーバにっていうふうに、最寄りのサーバにアクセスできるように、DNSで制御されているようです。

DNSについては、ネットワークって。。。#14を参照してください。

 

これは、コールセンターとかで、利用されている代表電話番号とか、110番(警察)とか119番(消防)のようなイメージですね。

掛けた先には、複数の電話機があり、基本的に話中とかにはならないですよね。。。

 

通信品質の制御

近年は、光回線の普及により、ネットワーク回線も高速になり、ストレスなくネットにつなげる事ができる時代になりました。 

とはいえ、Webページがなかなか表示されなかったり、Web会議や動画配信で音が途切れたりってことはありますよね。

通信回線が混雑する事を、輻輳(ふくそう)と呼びます。

これらの事象も踏まえて、通信サービスの品質(QoS:Qiality of Service)を保証する為の技術が、必要になってきました。

具体的には、通信に優先順位をつけて、優先順位の低い通信は破棄するというような方法が取られています。

この優先順位付けの方法には大きく下記の3つがあります。

  • ベストエフォート:もともとのIPプロトコルの思想で、最善努力型とも呼ばれ、通信寝室の保証は提供せず、早いもん勝ちの考え方です。
  • IntServ:アプリケーションごとに帯域を予約する方式で、大規模ネットワークには適せず、一般的にはインターネットの世界では使用されていません。
  • DiffServ:ネットワーク通信をおおざっぱに分類、優先順位付けやスケジューリングを行います。広く使用されている技術です。

 

例えば、、、

交通事故や、火事の時って、パトカーや消防車が優先的に道路を走って行きますよね。

そんな感じです。。。

 

明示的な輻輳通知

で、ネットワークに輻輳が生じた場合、輻輳を通知する機能がTCP/IPの世界で追加されました。

これが、ECN(Explicit Congestion Notification)と呼ばれるものです。

 

まあ、高速道路の渋滞情報みたいなもので、1キロ先で事故渋滞あるから速度緩めてね。みたいな。。。

 

ただ、ここだけの話、このECNの機能を有効にしたがために、数回、仕事でトラブりました。

ネットワーク機器によっては、誤検知とかするようです。

なので、以降、業務では、ECNをONにした事はないです。

 

Mobile IP

今や、どこに行くにも、スマホやモバイルPCを携帯し、いつでもどこでもホットスポット等の無線WiFiサービスとかを使って、ネットにつなげる事ができる時代。。。

これを実現しているのが、Mobile IPという技術です。 

 

Mobile IPで使用するアドレスには下記の2つがあり、これらにより、移動通信を実現しています。

  • ホームアドレス(Home Address):移動端末が使い続けるアドレス。端末を識別する為に使用。
  • 気付アドレス(Care-of-Address):移動環境によって都度取得するアドレス。実際の通信に使用。

 

ホームアドレスが戸籍(不変)、気付アドレスが住民票(引っ越したら変わる)みたいな感じです。。。

 

 

まとめ

  1. IPトンネリングは、離れた2拠点間を仮想的な閉じられた回線で、あたかも同一のネットワークのように扱える技術。
  2. IPマルチキャストは、特定の複数の受信者に対し1回で送信するための技術。
  3. IPエニーキャストは、1つのIPアドレスを複数のサーバに割り当てる事ができる技術。
  4. 通信回線が混雑する事を、輻輳(ふくそう)と呼ぶ。
  5. TCP/IP輻輳を通知する機能は、ECN。
  6. Mobile IPは、スマホ等、いつでもどこでもネットワーク通信を可能にする技術で、ホームアドレスと気付アドレスの2つのアドレスを持つ。

 

今回は、以上です。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

 

【参考書籍】

 

 

 

 

 

 

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