ネットワークって。。。#26(ルーティングプロトコル)
今回から、ルーティングプロトコル(経路制御プロトコル)の話に入ります。
ルーティングについては、ネットワークって。。。#11でも触れましたが、今回からしばらく詳細に書いていきます。
経路制御(ルーティング)とは
IPアドレスと経路制御
インターネットは、ネットワークとネットワークがルータで接続されて成り立っています。
データ通信を行う上で、データを正しい宛先に届ける為に、ルータが正しい方向に転送しなければなりません。
この正しい方向へ転送するための処理を経路制御(ルーティング)って呼びます。
ルータはルーティンテーブル(経路制御表)も参照し、データを転送します。
このIPアドレスに届けるには、このルータに転送しなさいみたいな。。。
今まで、何度か例として挙げてきましたが、
例えば、大阪の自宅からハワイへ移動したい場合は、
大阪の自宅
↓
↓
成田空港
↓
ホノルル空港
↓
ハワイの目的地
って感じで移動しますよね。
で、矢印(→)の部分がネットワークで、各拠点がルータの役目みたいな感じです。
大阪の自宅ルータには、ハワイの目的地に行くには、関西空港に行きなさい。
関西空港ルータには、ハワイの目的地に行くには、成田空港に行きなさい。
成田空港ルータには、ハワイの目的地に行くには、ホノルル空港に行きなさい。
みたいな感じで、ルーティングテーブルが定義されているイメージです。
スタティックルーティングとダイナミックルーティング
ルーティングには、スタティックルーティング(静的経路制御)とダイナミックルーティング(動的経路制御)っていう2種類の方法があります。
これによって、ルーティングテーブルの管理方法が変わってきます。
スタティックルーティングっていうのは、あらかじめ、経路情報を固定的に定義する方法で、通常は、人の手によって作成、定義されます。なので、結構手間がかかります。
これに対し、ダイナミックルーティングは、基本的には、ダイナミックルーティングですよって設定をすれば、あとは自動的に経路情報を作成してくれるので、管理の手間は少なくなります。
また、スタティックルーティングとダイナミックルーティングを組み合わせて使用する事も可能です。
ダイナミックルーティングの基礎
ダイナミックルーティングは、隣り合うルータ間で経路情報を教え合うことにより、動的に経路情報を作成します。
定期的にルータ間でメッセージ交換が発生するので、常にある程度のネットワーク負荷がかかります。
上記のハワイの例で言うと、成田空港が関西空港に対して、ハワイに行きたいなら、こっちおいでって教える感じです。。。
経路を制御する範囲
インターネットは増大になるとともに、ネットワーク全体を一括で管理するのは不可能になりました。そこで、経路を制御する範囲によって、後述するIGPとEGPの2つのルーティングプルトコルが利用されるようになりました。
自律システムとルーティングプロトコル
インターネットには世界中の様々な組織が接続されています。そして各組織にはそれぞれの考え方やポリシーがあって、誰が管理するも管理されるもなく対等な関係で接続されます。
ネットワークの経路制御に対するルールを決めて、それをもとに運用する範囲を自律システム(AS:Autonomous System)とか、経路制御ドメイン(Routing Domain)とかと呼びます。
具体的には、地域ネットワークや、ISP(インターネットサービスプロバイダ)などが挙げられます。
この自律システム内部でダイナミックルーティングに利用されるのがドメイン内ルーティングプロトコル(IGP)、自律システム間の経路制御に利用されるのがドメイン間ルーティングプロトコル(EGP)です。
例えば、各家庭にはルールがあって、そのルールは、他の家庭に公開したり、強制したりできませんよね。
もう少し大きいところでは、マンションとか、更には市区町村とかそれぞれルールがあって、他のマンションや市区町村にそのルールを強制したりできませんよね。
でも、異なるマンション間や市区町村間で、コミュニケーションとかはあるし。。。
まあ、そんな感じですね。。。多分笑
EGPとIGP
前述のとおり、ルーティングプロトコルは、大きくは、EGP(Exterior Gateway Protocol)とIGP(Interior Gateway Protocol)の2つに分類されます。
EGPは外部との経路制御、IGPによってどのホストかが識別されます。
ハワイに行くには、関西空港を経由して、成田空港を経由して、ホノルル空港を経由して。。。っていうのがEGPで、実際に大阪の自宅から関西空港に足を運んだり、関西空港から成田空港に移動したりするのが、IGPって感じですかね。。。
多分。。。笑
まとめ
- 経路制御(ルーティング)は、データ通信を行う上で、データを正しい宛先に届ける為に、転送するための処理。
- ルーティングには、スタティックルーティングとダイナミックルーティングの2種類の方法があり、スタティックルーティングは手動で設定、ダイナミックルーティングはRIP等を使って隣接するルータ同士でルーティング情報を提供し合う。
- ネットワークの経路制御に対するルールを決めて、それをもとに運用する範囲を自律システム(AS:Autonomous System)と呼ぶ。
- ルーティングプロトコルは、大きくは、EGP(Exterior Gateway Protocol)とIGP(Interior Gateway Protocol)の2つに分類され、EGPは外部との経路制御、IGPによってどのホストかが識別される。
今回は、以上になります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
【参考書籍】