プログラミング教育って。。。#9(なぜなぜ分析)
前回のプログラミング教育って。。。#8では、論理的思考のツールとして、「MECE」と「ロジカルツリー」について、それが、なぜプログラミング教育と結びつくのかを解説しました。
今回は、論理的思考のツールのひとつである「なぜなぜ分析」について触れたいと思います。
なぜなぜ分析
「なぜ」を繰り返しながら、問題を引き起こしている事象の根本原因を洗い出し、再発防止策を導き出す方法の事です。
元々はトヨタ生産方式の中で生まれたもので、「なぜ」を5回繰り返して初めて真の原因が分かり、真の対策を打つ事ができるというものです。
論理的思考の重要なポイントのひとつとして、何事に対しても鵜呑みにせず、常に疑問を持つことが重要と言われています。
例えば、「Aさんがこう言っているのだから間違いない」とか、「上司に言われたからこのやり方で仕事を進めている」というように何の疑問も持たない方もおられるでしょう。
更には、「Aさんはこう言っているけど、それはなぜだろう?」とか、「上司に言われたやり方って仕事を進めるうえで、なぜこのやり方をするんだろう?どれくらい効率がいいのか?」などと深掘りする方もおられるでしょう。
この深掘り、つまり、ふとした出来事に対し、疑問に思う事が重要なんですが、一歩間違えれば、ひねくれ者とか屁理屈ばかりいう人とかに勘違いされて、人とぶつかる事もあります。
なぜなぜ分析についても、やり方を間違えれば、正しい対策を導き出せない事があります。
小学校でのプログラミング教育必須化に至った経緯をなぜなぜ
小学校でのプログラミング教育必須化に至った経緯を「なぜなぜ分析」で、勝手にシミュレーションしてみます。
なぜ、日本はITで遅れをとっているのか?
なぜ、日本はAGFA(Apple, Google, Facebook, Amazon)になれないのか?
まずは、こんなとこから始まったんだと思います。多分。。。
そして、「なぜ」を繰り返した結果、小学校でのプログラミング教育必須化という対策が生まれたのかもしれません。
ちょっと無理やり感はありますが笑、こんなイメージ?
上図を見てもらうとわかると思いますが、なぜなぜ分析の「なぜ」の逆は「だから」の繰り返しになるんです。
なぜなぜ分析を行う際には、ちゃんと「なぜ」の逆が「だから」になっているか?を確認しながら進めていくと割と間違いは少なくなると思います。
間違えたなぜなぜ分析
もし「なぜなぜ分析」のやり方を間違えたとしたら。。。
「なぜ」の要因を間違えると、特に初期段階で間違えると、全く違った方向に進んでしまいます。
例えば、上図の「なぜ?1」で「日本人の努力が足りないから」などとすると、
なぜ?1 日本人の努力が足りないから
↓
なぜ?2 日本人のやる気がないから
↓
なぜ?3 日本人は裕福になり過ぎたから
:
などと、全く違う方向に進んでしまいます。
こうなると対策も、「日本人にやる気を出させる」とか、「ハングリー精神」とか、気合論になってしまい兼ねませんね。
また、「なぜ」の繰り返しが少ない場合は、十分な対策を立てる事ができません。
上図の例で「なぜ?2」で終わったとします。
原因は、
- IT経験が乏しい
- IT技術者が少ない
- 論理的思考力不足
となりますが、これに対する対策は?となった時に、直感的に「小学校でのプログラミング教育実施」となるでしょうか?
単純に考えると対策は
- IT経験を豊富にする
- IT技術者を増やす
- 論理的思考力を向上させる。
となりますが、「じゃあどうするの?」ってなりますよね。
その結果、「小学校でのプログラミング教育実施」が対策となるのかも知れませんが、そこに行き着くには、「じゃあどうするの?」といくつもの議論が必要になりそうですね。
なぜなぜ分析をして、対策を立てた時に、この「じゃあどうするの?」ってなった場合は、まだ「なぜ」の繰り返しが足りないという事だと思います。更に「なぜ」を繰り返す必要があります。
「小学校でのプログラミング教育」という対策の効果については、実際に4月からのプログラミング教育実施の動向を見ていくしかないと思いますが。。。
国としては、子供の時から、何事に対しても鵜呑みにせず、常に論理的に「なぜ?」と疑問を持つことに慣れさせて、そういった人材を育成し増やしていく事も目標のひとつなのかも知れません。