プログラミング教育って。。。#7(国が期待する事)
2020年4月から小学校で必須化されるプログラミング教育。
今回は、そこに携わる教師の方、更には親御様に向けて書きたいと思います。
プログラミング教育について思う事。。。
これまで、プログラミング教育についての背景や目的について勝手に解説してきましたが、ご理解頂けましたでしょうか?
端的にいうと、小学校でのプログラミング教育の目的は、プログラミング言語を習得させることではないということです。
もしピンと来ないという方がいらっしゃれば、今一度、下記を参照して頂ければと思います。
- プログラミング教育って。。。#2(背景)
- プログラミング教育って。。。#3(プログラミング的思考力)
- プログラミング教育って。。。#4(問題解決力)
- プログラミング教育って。。。#5(自発的な学習能力)
文部科学省から、「小学校プログラミングの手引き」なるものが公開されています。
そこには、小学校で学ぶべきことについて、
「身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には 必要な手順があることに気付くこと。」
とあります。
実際にプログラミング言語を覚えて、活用してというのは、中学校や高校で、
中学校「社会におけるコンピュータの役割や影響を理解するとともに、簡単な プログラムを作成できるようにすること。」
高校「コンピュータの働きを科学的に理解するとともに、実際の問題解決に コンピュータを活用できるようにすること。」
と書かれています。
つまり、小学校の段階では、いきなりプログラミング言語を覚えさせるのではなく、プログラミングに必要な力を身につけさせるということなんです。
(個人的には、頭の柔軟な小学生時代から、プログラミング言語を覚えながら、必要な力を身につけていった方が効率的では?とも思うのですが。。。 まあ段階を踏んでっていう事なんでしょう。)
プログラミングに必要な力、一言で言えば、論理的に物事を考える力だと思います。
それが、まさにこれまで述べてきた「プログラミング的思考力」や「問題解決力」のことなんです。
これって、プログラミングに限らず、色々な場面で応用でき、社会で生きていくために有効な事だと思うんです。
例えば、日本マクドナルドのV字回復。
2014年の中国での使用期限切れの鶏肉使用事件、2015年の異物混入事件で日本マクドナルドは客離れが進み、業績不振に陥ったニュースは今でも記憶に新しいですよね。
その日本マクドナルドが今や最高益を更新するまでに回復したのには、大きく以下のような背景があったそうです。
- 顧客の生の声を聞いて、信頼を回復する
- できるだけ多くの人に情報を発信し、信頼を回復する
これをプログラミング的思考力風に言うと。。。
まず、目的は売り上げを増やす事(業績を回復させる事)。それに向けて最善の方法(上記2つの施策)を選択する。
最善の方法を更に具体化し、
その結果、
- 「マクドナルドに美味しさはあまり期待していない」という意見が多く、これに対し対策の結果登場した効率重視から手作り思考の「グランシリーズ」が大ヒット
- ツイッターにより情報を拡散した後、テレビ広告などにより消費者層の幅を広げる
ことが出来たそうです。
目標に向けて、更に細かく最善の方法を選択(プログラミング的思考力)し、目標を達成(問題解決力)していますよね。
国が期待しているのは、こういった人材の育成だと思うんです。
つまり、何が言いたいのかというと。。。
プログラミング言語はプログラミング能力を発揮する上でのツール(道具)でしかないということで、重要なのはプログラミング能力(プログラミング的思考力、問題解決力)を育成すると言うことなんです。更に言えば論理的に物事を考える力を育成するということなんだと思います。
我々、システム開発の社会でも、
プログラミング言語をたくさん覚えるよりもプログラミング能力を身につけることの方が重要なんです。
逆の言い方をすれば、プログラミング能力さえ身につければ、どんなプログラミング言語にも対応できると言うことなんです。
小学校でのプログラミング教育
小学校でのプログラミング教育。。。当面は科目化するのではなく、現行の科目、算数とか理科とかの授業の中で、プログラミングを取り入れていくようです。
その中で、いかに論理的に物事を考える力を伸ばすということを意識していく必要があるんだと思います。
その上で、プログラミング教育って。。。#6で述べた Scratch(スクラッチ)とかを取り入れて、論理的に物事を考える力を伸ばすことを意識していくことが重要なんだと思います。