ネットワークって。。。#31(ルーティングプロトコル)
今回は、MPLSの話。。。
Multi Protocol Label Switchingの略で、エムピーエルエスって読みます。いつも通り、そのままです笑
IPパケットの転送には、今まで述べてきたルーティングだけではなくラベルスイッチングと言う技術があります。
ルーティングがIPアドレスに基づいて、パケットの転送を行うのに対し、ラベルスイッチングは、パケットにラベルという値を設定し、ラベルに基づいて転送を行います。
MPLSは、ラベルスイッチングの代表的なプロトコルです。
以前に例えたハワイへの経路の例。。。
ルーティングの場合は、各ルータが隣接する宛先の情報を持っていて移動するごとに宛先を見て転送してましたよね。。。
「大阪の自宅では、ハワイに行くには、関西国際空港に行け」
みたいに。。。
ラベルスイッチングの場合は、1つのラベルに、
「ハワイに行くには、関空で飛行機乗って成田行って、ほんでからホノルルに。。。」みたいな情報が書かれていると思って下さい。
要するに、ルーティングの情報より簡単で明確な情報がラベルに書かれていて、各ルータではそのラベルを見て転送が行われます。
MPLSネットワークの動作
で、MPLSを動かせるのは、MPLSに対応したルータが必要になります。
MPLSに対応したルータをLSR(Label Switching Router)と呼びます。その中でも、MPLSの外部のネットワークとの接続部分にあたるLSRをLER(Label Edge Router)と呼びます。
このLERで、MPLSのラベルを付けたり、はずしたりします。
また、LSRでは、途中で経路が変更になったりすると、ラベルを付け替えたりもします。
- ラベルを付けて転送する動作をPush
- ラベルを付け替えて転送する動作をSwap
- ラベルをはずす動作をPop
っていいます。
最近は、飛行機なんかもQRコードで搭乗するのが一般的ですよね。
ラベルってこのQRコードのようなものとイメージして下さい。
乗る前にQRコードを準備して、印刷したりWalletに登録したり(Push)、で目的地について不要になると、捨てたりWalletから消したり(Pop)しますよね。。。
まあ、そんな感じです。。。多分笑
MPLSの利点
MPLSの利点は大きく2つあります。
1つ目は、転送処理の高速化が実現できるという点です。
通常のルーティングとは違い、1つのラベルを見て転送するだけなので、処理が単純になるから高速化も可能となります、
2つ目は、ラベルを利用して仮想的なパスを張って、その上でIPパケットを使った通信ができる点です。
???
ですよね笑
要するに、ベストエフォートサービス(最善努力型)などの不安定なネットワーク環境でもMPLSで通信品質の制御や帯域保証、VPNなどの提供が可能になります。
まとめ
- MPLSは、ラベルスイッチングの代表的なプロトコルで、ラベルに基づいて転送を行う。
- MPLSに対応したルータをLSR(Label Switching Router)と呼び、外部のネットワークとの接続部分にあたるLSRをLER(Label Edge Router)と呼ぶ。
- MPLSは、転送処理の高速化と通信品質の保証を可能にするという利点がある。
今回は、以上になります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
【参考書籍】