ネットワークって。。。#10(データリンク)
今回は、公衆アクセス網について。。。
外部と接続する公衆通信サービスについて解説します。
今や、私達が当たり前のように接続しているインターネット。
自宅に居ながら、世界の色々な情報を見ることができます。
これを実現しているのが、公衆通信サービスです。
そんな公衆通信サービスについて、昔のアナログ電話回線からADSL、今や主流のFTTH、街中にあふれている公衆無線LAN等、それぞれについて解説していきます。
アナログ電話回線
固定電話回線を利用した通信。
電話回線の音声部分の帯域を使って、ダイヤルアップで接続。
コンピュータを電話回線で使用するために、デジタル信号とアナログ信号を変換するモデム(通信速度は最大でも56Kbpsと低速)という機器が必要になります。
昔はこれしかありませんでしたが、現在はほとんど利用されていません。
ISDN(Integrated Services Digital Network)
訳すと、統合サービスデジタル網。。。
その名の通り、電話、FAX、データ通信等、いろいろな通信を統合して扱う事のできる公衆ネットワークで、1990年代後半くらいまでは、アナログ電話回線とともに、データ通信の主流でした。
ISDNもダイヤルアップで接続しますが、アナログ電話回線との違いは、アナログ電話回線がその名の通り、アナログ通信なのに対し、ISDNはデジタル通信で、最大速度は64Kbps、2回線同時利用も可能で、その場合は最大128Kbpsと、アナログ電話回線よりは早いものの、相変わらず低速でした。
2024年1月にサービス終了とされていますが、、、
現在でも、EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)等のBtoBの企業間取引(受発注、出荷・納品、支払・請求等)には、多数の企業が、ISDNを利用しているのが現状です。
移動体通信サービス
携帯電話については、昔は、音声通話やメールなどのテキストデータの通信が主だったので、通信速度もそこまで求められていませんでしたが、スマホの登場とともに、動画やグラフィック画像の閲覧等のシーンが増え、それとともに通信速度も向上してきました。
通信速度は、4G(フォージー)で最大1Gbps、5G(ファイブジー)になると最大20Gbpsと言われています。
PHS(Personal Handy-phone System)については、近距離の通話向きとされ、病院や企業の構内で、今も多く利用されています。
現在、PHSのサービスを提供しているのは、Y!mobileのみで、2020年7月でサービスを終了すると発表していましたが、現在の新型コロナウィルス感染拡大の影響で、携帯電話への切替作業が厳しいとする医療機関等の要望により、2021年1月まで終了時期を延長するとしています。
ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)
現在主流の光回線の一世代前に主流な回線でした。
既存のアナログ電話回線を拡張利用したサービスで、上り(自宅→インターネット)と下り(インターネット→自宅)の通信速度が違うのが特徴です。
スピリッタという分配装置が電話回線の周波数を音声(低周波)とデータ通信(高周波)に分離します。
アナログ回線やISDNのようにダイヤルアップ接続するのではなく、常時インターネット接続が可能になり、最大通信速度(下り)は50Mbpsと当時(2000年〜2004年頃)では、劇的に早く、且つ安価だったので、利用者が増大しました。
しかし、光回線の登場とともに、ADSLは下火になっていきました。
一時期、全盛を飾ったADSLもNTTが2023年1月、SoftBankが2024年3月にサービス終了を発表しています。
FTTH(Fiber To The Home)
現在、最も主流の光回線です。
全国の約6割以上の世帯で利用されているとの事です。
「Fiber To The Home」の文字通り、家まで光ファイバーが引かれますが、パソコンに直接つなぐのではなく、ONU(Optical Netowork Unit)という装置で光を電気信号に変換して、ツイストペアケーブルやWi-Fiを使って、自宅のパソコン、スマホにつなぎます。
このONUって装置は、光回線を契約すると、無償でレンタルされるやつです。光回線を引いておられる方なら、自宅に設置されてますよね。
最大通信速度は、1Gbpsで、ADSLの20倍です。
月額がADSLと変わらない(もしくは光の方が安い)となると、そりゃ皆様、通信速度の早い方に移りますよね。
ちなみに私は、携帯がauなので、スマホとセット割引(スマートバリュー)を利用してauひかりに加入しています。(光を引いた当初は、スマホとのセット割引はauしかやってませんでした。)
通信も安定していて、今まで(10年弱)ノントラブルなので、かなりお勧めです。
携帯がauの方は是非とも!
あとは、eo光なんかも、auのスマートバリューが適用できます。
ケーブルテレビ
本来、電波を使うテレビ放送を、ケーブルを使って放送する事で始まったサービスがケーブルテレビです。
現在では、ケーブルテレビを使ったインターネット接続サービスが広く利用されるようになりました。(J:COMとか有名ですよね。)
なお、使用している周波数帯は、
- 放送局→加入者宅は、テレビ放送と同じ周波数帯を使用
- 加入者宅→放送局は、放送では利用されていない低周波数帯を使用
なので、下り(放送局→加入者宅)の通信速度に比べて上り(加入者宅→放送局)の通信速度が遅いという特徴があります。
また、現時点、光回線が、最大通信速度:1Gbps
を提供しているのに対し、
ケーブルテレビは、最大通信速度(下り):320Mbps、最大通信速度(上り):10Mbps
と、光回線ほど速度は出ません。
専用回線(専用線)とVPN(Virtual Private Network)
ネットワークの発展とともに、世の中は便利な時代になり、今や誰でもがインターネットを利用できる時代となりました。
また、物理的に離れた同一企業の事業所間や、更には、別の企業間でもネットワークを利用した情報のやり取りが行われるのが当たり前の時代となりました。
そんな中、やり取りする情報が機密情報であったり、情報漏洩や盗聴を防がないといけなかったりする場合に利用されるのが、専用線やVPNです。
専用回線(専用線)
セキュリティ対策に加えて、公衆網が途絶えた時も確保しなければならないような重要な通信にも利用されています。
例えば、警察電話や消防電話、鉄道電話等の重要な通信で利用されているようです。
あとは、
- 銀行のオンラインシステムと現金自動預け払い機(ATM)との通信
- 放送局でのスタジオ〜取材地間、系列局間(JNNとかNNNとか)のコンテンツ伝送等のネットワーク
- 多拠点を持つ企業の全社的なコンピュータネットワーク構築
等で利用されています。
名前の通り、物理的に隔離した専用の回線を引くもので、強固なセキュリティを確保できます。
VPN(Virtual Private Network)
専用線を引くには、施設に時間もコストもかかる事から、既存の回線(インターネット)を使って、何か仮想的に専用線みたいにできないかと検討され、誕生したのがVPNです。
IPsecとかSSLとかいった、暗号化技術を使って、VPNが実現されます。
VPNには、IP-VPNと広域イーサネットというのがあります。
IP-VPNがネットワーク層(レイヤ3)で通信するのに対し、広域イーサネットはデータリンク層(レイヤ2)で通信します。
レイヤについては、ネットワークって。。。#4を参照して下さい。
公衆無線LAN
公衆無線LANは、Wi-Fi(IEEE802.11:ネットワークって。。。#8参照)を利用したサービスで、ホットスポットと呼ばれる電波受信可能なエリアを公共の場所に設置し、Wi-Fi接続を可能にします。
最近では、コンビニやホテル、飲食店、駅等、様々な場所に設置されていますよね。
便利になった反面、やはり、つきまとうのはセキュリティリスクです。
特に公衆無線LANは、誰でも簡単に気軽に接続できるので、同じネットワークの中に知らない者同士が共存するという事になります。
なので、公衆無線LANでは、クレジットカード情報や個人情報の入力は行わない、ファイルの共有は行わない等、利用にあたっては十分に注意が必要です。
今回で、ようやく「第3章 データリンク」完了です。
次回からは、「第4章 IPプロトコル」について書いていきます。
引き続き、懲りずにお付き合いの程、よろしくお願いいたします。
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